赤ちゃんの首すわりについて知りたい


A. 首がすわりとは、「赤ちゃんの上体が少し揺れても、頭部を安定して保ち、縦抱っこができる状態」のことをいいます。

原則的に首がすわらなければ、その後の運動発達は見込めないとされています。

Q.定頸とは?定頸の読み方は?

A. 定頸(ていけい)と読みます。
定頸(ていけい)とは、「首がすわること」です。
頚定(けいてい)も定頸(ていけい)と同義語です。

Q.首すわりは平均生後何ヶ月?

A. 首すわり(定頸)は生後4~5ヶ月が一般的な目安とされています。

赤ちゃんの姿勢と移動運動の発達は、頭部から足部へと進みます。
赤ちゃんにとって生後最初の大きな発達が「首すわり」で、厚生労働省が発表している調査結果(*1)によると、 生後2~3ヶ月で11.7%、生後3~4ヶ月で63.0%、生後4~5ヶ月で90%以上の乳児の首すわりを確認しています。

Q.生後4ヶ月で赤ちゃんの首がすわらないのですが、首すわりが遅い原因はありますか?

A. 生後4ヶ月の段階で「首がすわらないから異常かも?」と断定しては早計です。

厚生労働省が発表している調査結果(*1)によると、首すわりの平均は生後平均4~5ヶ月とされていますし、 また3ヶ月以内の運動発達の遅れは、個人差による正常範囲内の遅れであると判断されることも多いです。

首すわりが遅くなる原因として「うつぶせになっている時間が少ない」など活動量が著しく少ない場合は、首を支える筋肉の発達が遅れる場合があります。
また頭のサイズ(頭囲)が大きい赤ちゃんの場合も、首すわりが少し遅れる傾向にあります。

一方で、脊髄性筋萎縮症(SMA)や脳性麻痺などの神経疾患が原因で首がすわらない場合は、出生時には診断できなかった身体発達の遅れが出ている可能性もあります。
不安な方は定期健診で相談、または専門医を受診して判断を仰ぎましょう。

Q.赤ちゃんの首すわりをチェックする確認方法・判断基準・目安はありますか?

A. 自宅で赤ちゃんの首すわりの状況を確認する場合は、 医師や厚生労働省が判断基準としている下記3つの確認方法でチェックすることができます。

・赤ちゃんを仰向けに寝かせて、両手を持って引き起こした時に首が遅れずについてくるかどうか
・赤ちゃんが仰向けの状態で、顔を自由に動かせるかどうか
・腹這い(うつ伏せ)状態で、頭を持ち上げられるか

仰向けの状態で赤ちゃんが顔を左右に向けたり、腹這いの状態で顔をあげようとしたりするなどの 首すわりの兆候があれば、大きな心配はいらないことがほとんどですが、 生後5ヶ月を過ぎても首がすわる兆項が全く見られない場合は、かかりつけの専門医に一度相談してみてください。

Q.首すわり前の赤ちゃんをおんぶしても大丈夫?

A. 揺さぶられっ子症候群や頸椎損傷の防止の観点から、首すわり前の赤ちゃんをおんぶすることは出来ません。

まずおんぶは赤ちゃんの首をしっかり支えられないので、赤ちゃんの頭は振り回されて揺さぶられてしまいます。

さらに首がすわっていない赤ちゃんは、頭を支える首の筋肉が未発達で、自力で頭を支えることができない状態です。
頭も相対的に大きいので、揺さぶった時の遠心力が大きく働き、頭蓋内が激しく揺さぶられます。

また2歳頃までは脳と頭蓋骨が密着しておらず、その間には脳脊髄液で満たされた隙間が広く空いている、とても不安定な状態です。
このような状態で頭蓋内に強い揺れが伝わると、不安定な脳が頭蓋骨に何度も衝突して神経が損傷したり、脳の血管が切れて出血したりと、脳内に悪影響が出てしまうのです。

加えて、首すわり前の赤ちゃんの首関節は柔らかいため、首の脱臼の危険性も伴います。

以上の理由から、おんぶは必ず赤ちゃんの首がすわってからにしましょう。

Q.赤ちゃんの首すわりの練習方法・トレーニングは?

A. そろそろ首がすわるはずの時期なのに、首すわりの兆候がないと心配になってしまうことがあるかもしれません。
しかし赤ちゃんの成長には個人差があり、3ヶ月以内の運動発達の遅れであれば正常範囲内とされることも多いです。

特別な異常がない限りはいずれ首はすわりますので、過剰に心配する必要はありませんが、 首すわりを促す練習やトレーニングとして、下記のような方法があります。
生後3ヶ月を過ぎたら試してみてください。

1.縦抱きで授乳する
母乳育児をしている場合は、縦抱きで授乳することで首すわりのトレーニングになります。
頭がぐらつくので、いつでも頭を支えてあげられるよう常に頭の後ろに手を添えておくなど、安全には細心の注意を払った状態で授乳してあげるようにしましょう。

2.うつ伏せ(腹這い)にする
うつ伏せをする時は、赤ちゃんの手を前に出して頭を持ち上げられる姿勢を作ってあげましょう。
赤ちゃんが積極的に頭を上げたいと思うように、音の出るおもちゃなどを使って呼びかけてみてあげてください。

窒息による危険を避けるためにも、うつ伏せをしている間は大人は絶対にそばを離れず、目を離さないようにしてください。
また赤ちゃんの顔色も確認しながら、最初は1日1回、数分から始めて徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。

生後5ヶ月を過ぎても首がすわる兆項が全く見られない場合は、一度かかりつけの医師に診察してもらい、 病気の発症や発達の遅れがないか確認してもらうことをおすすめします。

Q.首すわり前にかぶり服を着せても大丈夫ですか?

A. 首すわり前の赤ちゃんに、かぶり服を着せること自体は問題ありません。

アメリカでは新生児期からOnesie(ワンジー)と呼ばれる、かぶり服タイプのロンパースを着せるのが主流ですし、 日本国内でも新生児サイズのかぶり服は販売されています。

ただし、首がすわっていない赤ちゃんにかぶり服を着せるにはコツがあります。
かぶり服の着せ替えに慣れていないと、赤ちゃんの首に負担がかかり、首すわり前の柔らかい首関節が脱臼してしまう危険性も伴います。

そういったリスクもあり、日本では首すわり前の赤ちゃん服として市販されているもののほとんどが「前開きタイプ」です。

首すわり前にかぶり服を着せても問題はありませんが、赤ちゃんへのリスクや着替えさせる側の負担も考慮して判断しましょう。

Q.首すわり前に寝返りするのですが大丈夫ですか?

A. 首がすわる前に寝返りができるようになる赤ちゃんも多いです。
ただし下記の理由から、寝返り防止クッションやうつぶせ寝防止ベルトなどを使用して、寝返り防止の対策を講じることをおすすめします。

1.窒息のリスク
ただし首がすわっていないと赤ちゃんは自力で首を持ち上げられないため、 寝返りをして柔らかい枕や布団の上にうつ伏せになると、顔が埋もれて窒息してしまう可能性があります。
またうつ伏せになった時の胃の圧迫による、母乳やミルクの吐き戻し・逆流で窒息する可能性もあります。

2.怪我のリスク
寝返りができるようになると、赤ちゃんの動きはこれまでよりも激しくなり移動範囲も広くなります。
怪我の可能性がある鋭利な物やライター・マッチなどの着火具はもちろん、やけどの可能性がある熱い飲み物や、誤飲の可能性がある薬やボタン電池なども 赤ちゃんの周囲には置かないよう注意しましょう。

一方で大人が赤ちゃんの傍に付き添える時は、せっかく覚えた寝返りを遮らないようにしてあげましょう。
首すわりを促すため、生後3ヶ月以降であれば寝返りをした時にうつ伏せの練習もしてあげてください。

赤ちゃんの呼吸の確保と顔色を確認しながら、最初は1日1回、数分から始めて徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。
また、縦抱っこも首すわりを促すトレーニングとしては有効です。

Q.首すわり前にスリングをつかっても大丈夫ですか?

A. はい、首すわり前からスリングを使っても問題ありません。
新生児から使用可能なスリングも販売されています。

スリングを使用して首すわり前の新生児を抱っこする場合は、「横抱き」ではなく、 日本ベビースリング協会・日本小児整形外科学会、股関節研究会が推奨している抱き方「新生児の基本抱き」が良いでしょう。
柔らかい布でできたスリングを使用して新生児を「横抱き」してしまうと、スリング内で丸くうずくまり窒息してしまう危険があるからです。(*1)

また赤ちゃんが開脚の姿勢が取れない「横抱き」は、股関節脱臼になる危険性もあります。(*2)
そのため海外のアメリカやカナダ、そしてヨーロッパでも「新生児の基本抱き」が推奨されています。

「新生児の基本抱き」のポイントは次の通りです。

1.新生児の赤ちゃんの脚をM字開脚にして足をスリングの中に入れる。
2.赤ちゃんを縦にして抱っこする人の胸に寄り添うようにして抱く。
3.赤ちゃんのおしりがママのおへそよりも下がらない位置で抱く。

窒息や転落などの事故がないように、お使いのスリングの取り扱い説明書をよく確認して、安全・安定した抱っこをしてあげるようにしてください。

スリング自体に危険性はありませんが、スリングの使い方によって首すわり前の赤ちゃんに危険な状況が生まれてしまいます。
特に新生児や月齢の低い赤ちゃんの抱き方には注意しましょう。

Q.新生児・首すわり前の赤ちゃんを縦抱き・縦抱っこしても大丈夫?

A. はい、頭と首をしっかりと支えてあげれば、新生児・首すわり前の赤ちゃんの縦抱き・縦抱っこも可能です。
首すわりを促す練習にもなりますし、授乳後にげっぷさせるのに適した抱き方です。

新生児・首すわり前の赤ちゃんを縦抱きするためのコツは下記の通りです。

1.抱っこする人と向き合うようにして、赤ちゃんの頭(頭と首の境目あたり)とお尻をしっかり支えて、ゆっくりと持ち上げる。
2.抱っこする人の肩に赤ちゃんの顔を引き寄せて、ややもたれるように抱っこする。

なお、縦抱き・縦抱っこする際には下記に注意してください。

・縦抱きでの寝かしつけは止めましょう
赤ちゃんの顔が見えづらいため、窒息の危険性が考えられます。抱っこで寝かしつける場合は、横抱きで少し頭部を高くする程度にしてください。

・抱っこ紐の縦抱きは1時間以内に止めましょう
インサートを使用しても、抱っこ紐での縦抱きは首すわり前の赤ちゃんには負担がかかりますので、使用時間は1時間以内に留めてください。
また呼吸が確保できているか、首が苦しそうではないかなど、赤ちゃんの様子もこまめにチェックしてください。
使用時間については、抱っこ紐の説明書に注意事項として記載がありますので、お使いの抱っこ紐の説明書を必ず確認しましょう。(*1)

Q.新生児・首すわり前にベビーカーに乗せてもよいのでしょうか?

A. 生後1ヶ月以内の新生児の場合も、生後1ヶ月以上の首すわり前の乳児の場合も、月齢に対応しているベビーカーであれば乗せても問題ありません。
しかし生後1ヶ月のうちはベビーカーよりも抱っこ紐の使用をおすすめします。

まずベビーカーの日本安全性基準である「SG基準」では、ベビーカーの種類によって対象年齢を下記のように定めています。(*1)

A形ベビーカー
新生児期(生後28日または4週間)を過ぎてから、 または首がすわった乳児期(生後4ヶ月)から使用でき、最長で48ヶ月までの間で使用期間を定めたベビーカー。 座面と背もたれの角度は150°以上(ただし適用月齢が生後4ヶ月以降からのものは130°以上)であること。

B形ベビーカー
おすわりができる時期(生後7ヶ月)から使用でき、最長で48ヶ月までの間で使用期間を定めたベビーカー。座面と背もたれの角度は100°以上であること。

このように各メーカーから販売されているA形ベビーカーの多くは生後1ヶ月からを対象にしているものがほとんどで、新生児期から使用できるベビーカーは非常に少ないです。
新生児期から使用できるベビーカーとしては、「SG基準」ではなく欧州安全基準「CE」に適合している エアバギーの「ココ フロムバース」 などがあります。

生後1ヶ月以内の新生児期は外出する頻度も多くはないですし、新生児を対象としたベビーカーのラインナップも少ないため、移動には無理にベビーカーを利用しようとせず、 抱っこ紐を使うことをおすすめします。
新生児期から使用できる抱っこ紐として、 ベビービョルンの「MINIシリーズ」 などがあります。

また生後1ヶ月以上の首すわり前の乳児の場合は、月齢が適応しているA形のベビーカーを使用することができます。
B形はおすわりができる生後7ヶ月からを対象にしているので、首すわり前の赤ちゃんには使用できません。

さらに月齢が低いうちは赤ちゃんのおなかや気道を圧迫しないように、ベビーカーの背もたれを水平に近いフラットな角度にして乗せることが大切です。
リクライニング角度が小さいベビーカーを利用すると、赤ちゃんが前屈姿勢になって腹部や気道を圧迫して酸素飽和度の低下が生じることがあります。
この観点からも、座面と背もたれの角度は100°以上であるB形は使用できないことになります。

また「SG基準」では、A形ベビーカーの使用時間として望ましい使用時間は2時間とされています。(*2)
使用時間については、ベビーカーの説明書に注意事項として記載がありますので、お使いのベビーカーの説明書を必ず確認しましょう。